視認できるのに顔の周りを飛ぶ小さい虫が大嫌いです。
沢のある山に行くことが多いので本当に鬱陶しくて嫌いです。
さて。
山で遭遇する気になる虫たちシリーズから今回取り上げるのはこちら。
こわい蜂
と
気持ち悪いダニ
です。
この2種類の虫の対策方法を見ていきます。
読んでいてかゆくならないような文章を心がけています。
…自分も書いていてかゆくなることがあるので。
スズメバチの基礎知識
1年のうちでスズメバチの活動が活発になり、攻撃性がアップして危険度が増すのは7月から10月です。
夏の終わりから秋にかけての事故が多くなっています。
この時期は、思いっきり登山シーズン真っ盛りですね。
実際に登山中の動物絡みの死亡事故のうち、ヒグマ・ツキノワグマ・ヘビによるものはそれぞれ数件程度だそうです。
一番恐れられているクマ絡みは起きても年0から数件となっています。
そしてスズメバチによるものは、なんと毎年20件近く起きているそうです。
一番怖いものは実はこちらだったようですね。
巣がどこにあるのか分からないのが特に怖いところです。
スズメバチの巣の周囲には見張り役のハチがいて、そのハチ達の警戒範囲に踏み込むと威嚇されます。
ハチがいて、ブーンやカチカチという音が聞こえたら、それは威嚇なので刺激しないようにゆっくり離れます。
間違っても振り払ったりしないように。
めっちゃ怒って攻撃してくるそうなので、とにかく静かにゆっくり離れましょう。
ちなみにですが、地面にも巣を作るらしくそれを踏んでしまうと攻撃されます。
これはもう周囲を慎重に確認しながら歩くしかないですね…。
スズメバチが狙うのは?
まずは狙われないための基礎知識です。
黒は狙われる
蜂が黒いものを狙うのは有名な話なので知っていると思います。
まさにそのままなので、登山に行く時は黒っぽい色は避けるようにします。
黒だけ身に付けなければいいわけではなく青や赤などのはっきりした色が危険です。
白いものはスズメバチに狙われにくいので、なるべく白系でまとめていきたいですね。
テレビで蜂の駆除業者の人などは白い作業服を着ています。
スズメバチ対策には、黒ではなく白ということですね。
動くものを攻撃する
あともう1つ狙われるのは動くものです。
スズメバチは動くものを攻撃する習性があります。
歩くなってことですか?と聞きたくなりますが。
素早く動くものに対して攻撃する習性があるようで、ハチと遭遇した時に、
ハチだ!!!逃げろ!!!
と全力でダッシュしないように気を付けます。
もし遭遇しても刺激しないようにそーっとゆっくり後退しましょう。
クマも同じような対処法が言われているので、とにかくヤバイやつに出会ったらダッシュで逃げない、というのが大事なようですね。
遭遇したらそっと離れる
上で書いた、動くものを攻撃する、と少し内容はかぶります。
巣は周囲に見当たらないのにスズメバチが飛んでいたら、そこはスズメバチの警戒範囲です。
これ以上こっち来んな!
と威嚇しているのでそこはそっと離れましょう。
慌てて走り出したり、手で追い払おうとすると狙われる原因になります。
この威嚇時間は、スズメバチ的に、
猶予をやるからさっさと離れろ。じゃないと攻撃するぞ。
と撤退する時間をくれています。
ある意味で安全に離れるチャンスでもあるので、
ゆっくりそっと。でもさっさと離れる。
ことが大事です。
アナフィラキシーショックとは
スズメバチといえば、アナフィラキシーショックという言葉を聞いたことがあると思います。
食べ物でも起こるもので、アレルギー体質の人にアレルギー物質が入ることで起こるもののことを言います。
症状は、
- 蕁麻疹
- 痺れ
- めまい
- 吐き気
- 息苦しさ
- 頭痛
- 腹痛
- 下痢
などで、重症の場合は、
- 呼吸困難
- けいれん
- 血圧低下
- 意識低下
などが起こるそうです。
そして、ハチの毒に対するアレルギーの場合は、体内に入って15分程度で心停止すると言われています。
「スズメバチに2回刺されると死ぬ」
と、聞いたことがありませんか?
スズメバチに1回刺されて、その時点でハチ毒アレルギー体質になってしまった。
2回目に刺された時にアナフィラキシーが出て、
そのうちの数パーセントの人がアナフィラキシーショックを起こして亡くなる、というものです。
もう少し詳しく書くと、
- 1回目刺された→約20%の人がハチ毒アレルギー体質になってしまう
- 2回目刺された→上記の人のうち約10~20%の人にアナフィラキシー症状
- アナフィラキシー症状が出た人のうち、約数%の人がアナフィラキシーショックで亡くなる
ということです。
なので、「スズメバチに2回刺されると死ぬ」というのは絶対にそうなるわけでもないようです。
また、2回目に刺された時には何も起きずそれより後に刺された時にアナフィラキシーを起こす場合があったり、
大量のスズメバチに襲われて、刺されるのは初めてでもショック死してしまう場合もあるそうです。
あとは、
アシナガバチに刺された経験があり、この時にハチ毒アレルギー体質になってしまっていたら、
スズメバチに刺されてもアナフィラキシーが起きることもあるそうです。
ハチの名前は違うのに毒の成分は似ているらしく、症状が出てしまうことがあるということらしいです。
個人差というより体質の話なので、心配な場合にはアレルギー検査のできる病院で検査してもらいましょう。
毒を吸い出せるものを装備する
万が一、刺されてしまった時の対策として毒を吸い出せる
ポイズンリムーバー
を装備に加えると少しでも安心して登山できると思います。
針なし注射器のような「携帯用毒吸いポンプ」のことです。
ヘビの毒も吸い出せると書いてありますね…。
ネットではもちろんですが、登山用品店などでも見かけます。
軽くコンパクトなので装備品に加えても支障はない、というより加えた方が安心して登山できます。
私が使ったことのある上のものは、けっこう固く力が必要なので簡単に扱えると謳っているこちらの方が実用的かと思います。
Safety Life ポイズンリムーバー 毒吸引器 携帯ケース付 応急処置
ハチ以外にも、蚊やブヨに刺された時にも活躍してくれるので重宝すること間違いなしです。
虫刺されの毒を吸い出すことで、かゆみがおさまります。本当に効きます。
実際に私も山で何度かお世話になっています。
共同装備として師匠が持ってくれていますが、
- こめかみ(右)を蚊に刺された時×4回
- おでこを蚊に刺された時×2回
- こめかみ(左)を蚊に刺された時×1回
- 手首(右)を蚊に刺された時×1回
と、何度も私の体内から毒を吸い出してくれています。
わざわざカウントしているのもあれですが、私はどうやら右側がおいしいようですね。
ちなみに自宅周辺でも私は右側ばかり刺されます。
ポイズンリムーバーは、
山などの自然の中ではもちろん、普段の蚊に刺された時にもとても役に立つのでおすすめです。
ダニよけを考える
次はこいつです。
ただのシルエット絵にしたのに、思い出せるあの気持ち悪さ…。
そんなダニ避けについて見ていきます。
登山中ダニによく遭遇する場所
まずはどんなところにいるのか。
主に笹ヤブに多い気がします。
そして北海道の山では、5月から7月初め頃までがダニの多い時期らしいです。
こちらは日高のとある山の登山道です。
笹がわっさわさしていますね。こんなところに多くいます。
実際に6月に日高に行った時、問答無用にダニ祭りになりました。
気持ち悪いです。
スネあたりから上がってくる横1列の3匹のダニ編隊や手袋を好き勝手に歩き回るダニ…思い出すとかゆくなります。
一度でも自分に付いているのを見かけると、その後は見慣れた自分のホクロもダニに見えてきます。
着ている服のタグもダニが這っているんじゃないかと不安になります。
もう疑心暗鬼の登山です。
そんなダニを少しでも寄せ付けない方法はあるのでしょうか。
虫よけスプレーの効果やいかに?
普段愛用している虫よけスプレーはこれです。
肌の弱い人なので「お肌にやさしい」なんて文言に惹かれがちです。
通常の生活では非常に役立つ相棒です。
そんな相棒の力を借りて山で付着するダニを少しでも減らそうと、
- 蚊取り線香をダブルで焚く
- 虫よけスプレーを体中にふりかける
を実行しましたが、抵抗むなしく激しく付きました。
気付いたら自分の体をダニが好き勝手に歩いています。
主に足。
あとは手袋です。
ズボンも手袋も薄い色なので発見しやすく良かったのですが、
あーーーーーまたダニーーーーー!!!!!
と途中から怒りながらの登山になりました。
体中に満遍なくスプレーをケチらずにふりかけてもこの結果なので、
ダニの多い場所で活動が活発な時には何をしても付く
という結論が出ました。
のですが、
たっぷりふりかけているので他の虫はほぼ来ませんし、精神的にはとても安心できます。
あくまでも補助的に使用するのがいいと思います。
ちなみにですが、
登りの時間帯である朝はものすごくダニがいる、そして、付く感じがします。
下山の時間帯は活動が収まっているのか、登りほど付く経験はありません。
気温や時間帯も関係しているようです。
ダニが勝手に滑り落ちるツルツルした服
蚊取り線香モクモク+虫よけスプレーでも効果を感じなかったので、あとは師匠の対策を真似していくしかありません。
最初からそうすれば良かったのですが。
師匠のダニ対策は、
ツルツルした素材のものを着てダニを滑り落とす
という方法です。
着ていればいいので、他に何もしなくていいのが魅力的です。
薄い色合いのものの方が、滑り落ちなかったダニも発見しやすいのでおすすめです。
ツルツル素材のおかげで指で弾くだけでダニとさよならできます。
ついでにこれは体験談なのですが、
とにかくダニが嫌だからと上下を着込んで行きましたが、暑くて耐えられませんでした。
しかもフードもかぶるという徹底ぶり。
やらなくても分かっていたような気もしますが、本当に暑くてバテました。
基本的にダニは足から上がってくることがほとんどなので、足さえツルツルさせておけばとりあえず安心して登れます。
もちろんザックにはザックカバーをしてください。
基本ツルツル素材なのでザックにダニが付いたままお持ち帰りするのを防げます。
ダニに食いつかれたら…
考えただけでも気持ち悪いですが、想定しておくことは非常に重要なのでやっていきましょう。
歩いていても分かりましたが、一般的にダニは腰から下に付くことが多いようです。
そしてそこから食いつきやすい柔らかい皮膚の部分を探して体中をモゾモゾと…想像したくもありません。
私はまだ食い付かれたことはありませんが、
日帰り登山中にダニが付いた場合、下山後にガブっとやられることが多いようです。
食い付かれた場所によっては分からないこともあるそうで、たとえば背中などは気付きにくいと聞きました。
ダニは食い付いてからどんどん深く頭を突っ込んできます。………。
直後に気付ければ、ダニをゆっくり引っ張れば取れるそうです。
時間が経って頭を深く突っ込まれている状態の時は、無理やり引っ張ると胴体だけちぎれて頭は皮膚に残ります。
そんな気持ち悪いことになるのは嫌なので先ほどのスズメバチ対策と同様に専用器具で対応しましょう。
商品説明ページにある動画が分かりやすく、そして、欲しくなります。
【正規品】H3D O’TOM Tick Twisterダニ取り 大小2本組セット
当然の話ですが皮膚科に行くことが一番確実です。
引っ張って失敗してしまった場合も、自分で取るには自信がない場合も皮膚科に行けば解決です。
ダニには危険な感染症もあるので、適当に処理せずきちんと対応していきましょう。
しつこいようですが、何より気持ち悪いので…。
虫嫌いによる虫対策シリーズです。
○虫嫌いによる虫嫌いのための虫対策入門2◇虫よけその1(蚊とブヨ)