高温の環境で、水分・塩分の不足が原因で発症すると言われている熱中症。
ですが、水分・塩分だけでなく、カリウムとマグネシウムの不足(欠乏)も関係しているそうです。
このカリウム・マグネシウムは高温の環境下で大量の汗とともに体内から流れ出てしまいます。
これらを適度に補給しながらでないと熱中症を発症しやすくなってしまいます。
熱中症の予防方法、ミネラルの働きなどについて見ていきます。
ミネラルの働きと不足時の症状
それぞれの役割と不足時に起こる症状などについてです。
ミネラル不足の症状は、熱中症の各症状とよく似ています。
ナトリウム
ナトリウムは、
- 体内の浸透圧を一定に保つ
- 細胞を正常に働かせる
という役割を持ちます。
このナトリウムが不足すると、
- 血液量の低下
- 頻脈
- 低血圧
- 疲労感
- 倦怠感
- 頭痛
- 嘔吐
- 筋肉痛
- けいれん
- 昏睡状態
などが起こります。
マグネシウム
マグネシウムは、
- 血流の促進
- 血圧の安定
などに関係します。
マグネシウムが不足すると、
血圧低下
不整脈
疲労感
けいれん
などが起こります。
カリウム
カリウムの働きは、
ナトリウムの血中濃度の調整
筋肉の収縮
などです。
これが不足すると、
- 不整脈
- 倦怠感
- 脱力感
- 食欲不振
- 吐き気
- けいれん
などが起こります。
熱中症の予防
たとえ軽度な熱中症でも発症させないことです。
発症してしまえば、回復したとしても苦しい登山がさらに苦しくなりますし、再発・悪化の可能性もゼロではありません。
予防するには、こまめな水分補給とともに、塩分と糖分の補給も重要になってきます。
登山中は…
だいたいの場合ですが、登山中には1時間に1回10分程度の休憩をしながら歩くことが多いと思います。
ただ、炎天下のもと大量に汗をかいている時などには、
30分に1回程度は水分を補給
塩飴で塩分と糖分の補給
を行います。
これらについては、座らずに立ったままの休憩で行っても問題ありません。
熱中症予防のために、こまめに水分・塩分・糖分の補給を行いましょう。
熱中症を予防するには
熱中症のかかりやすさは個人で差があります。
こまめな水分・塩分・糖分の補給だけでも熱中症予防にはなるのですが、これだけでは心配な場合もあると思います。
こんな場合におすすめの対処法について見ていきます。
塩飴
スーパーやドラッグストアでも、季節になると買えと言わんばかりに目立つ場所で売っていますね。
そういった塩飴でも問題ないのですが、あまり塩分の入っていないものがあることも事実です。
何種類か買って、塩分や味などを試してみてから登山に持って行くようにしましょう。
塩飴と名前があれば、なんでもいいわけではないのです。
ヘルメットなどでお馴染みのメーカー「ミドリ安全」からも塩飴が出ています。
真夏の炎天下でも働く作業員さん向けの商品なので、一般的な塩飴とは異なります。
塩分・糖分はもちろんですが、
- カリウム
- マグネシウム
- カルシウム
- クエン酸
も含まれています。
塩熱飴PRO
レモン・梅・アセロラの3種類の味があります。
経口補水塩熱飴
水分と電解質の吸収をサポートしてくれます。レモン味。
サプリ
別の記事(登山と体力とサプリ◆ビタミンとミネラル)でも書きましたが、大切なミネラルの補給です。
熱中症対策としてだけではなく、普段の運動・登山でも使用しています。
独特の人工臭さえ慣れてしまえば大丈夫です。
このDHCのマルチミネラルには、
- ナトリウム
- マグネシウム
- 鉄分
- カルシウム
- 亜鉛
などのミネラルがバランス良く入っています。
先ほども書きましたが、熱中症だけでなく運動も含めてバテることの防止に効果的です。
実際に、1回の登山で1日分を飲むことで体が楽に動かせるようになりました。
キツくて足の動かなくなってきた時(筋肉疲労ではなく)に飲むことで再び歩き出すことができました。
ですが。
実はこれだけではカリウムが摂取できないんです。
そこで出てくるのはこちらです。
スポーツドリンク
一般によく見るアクエリ・ポカリなどのスポーツドリンクには、
- 塩分
- 糖分
- カリウム
- マグネシウム
などが入っています。(糖分は多めの印象です。)
これらでもいいのですが、さらに役立つものがあります。
経口補水液
水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度を調整したものです。
電解質(ナトリウム)とブドウ糖を摂取することで効率よく水分が吸収されます。
熱中症対策には推奨されています。
メダリスト
疲れている人が飲むと酸っぱい、元気な人には甘いというあの商品です。
アリストから出されているメダリストは、
- 塩分
- 糖分
- カリウム
- マグネシウム
- クエン酸
- アミノ酸
など36種類の栄養素が入っているので、熱中症予防だけでなく疲労回復にも効果があります。
どちらもパウダー・顆粒タイプを紹介しました。
これならかさばらず荷物も増えないので便利ですし、溶けやすいので飲みたい時に溶かしてすぐに飲めます。
バテたのか熱中症なのか
区別がしにくいところではありますが、
休んでも心臓がバクバクしている・苦しい
と感じたら熱中症の兆候です。
適切に対処し、登山を続行・断念を判断します。
間違っても、ここで日程の優先などしないことです。
水分の補給、塩飴や梅干しなどで塩分と糖分を補給します。
それでも体に違和感のある場合などは、サプリやスポーツドリンク等で補給を行います。
あとは行動食です。
おやつを食べることで心も体も元気が出ますし、栄養補給にもなります。
ちなみに私は最近、きゅうりを丸ごと1本持って行きました。塩は多めで。
汗をかくだけかいた休憩の時のきゅうりは幸せです。
水分補給にもなるのでオススメです。
私は苦手なのですが、梅干しは塩分とクエン酸が含まれているので疲労回復に一役買ってくれます。
昔ながらの日本人の知恵ってすごいものです。