今回はトムラウシ。これが初の大雪の山です。
登ったのは9月中旬。
日帰りできるからって全然甘くないです。
短縮コースと言えど、長いです。あとガスったらたぶん迷います。
話に聞くだけでも怖そうな印象でしたが、
実際に自分で登ってみて気軽に行くべきではない山だと強く思いました。
そんなトムラウシの話です。
写真で振り返るトムラウシ短縮コースです。
標高差1176m
登り 5時間10分
下り 4時間20分
(登り下りとも休憩含む)
トムラウシ山レポ~写真とともに
トムラウシ短縮コースの登山口の駐車スペースはめちゃくちゃ広いです。
…連休などにはここもいっぱいになるとは信じられないくらいの広さでした。
興味本位でトイレを覗くとバイオトイレでした。こちらもすごくキレイです。
かなり頑丈そうな案内図もあります。
少し肌寒いかな?という気温の中、出発します。
風でカサカサ揺れているだけの笹なんですが、山から漂う生物感が強すぎてビビります。
普通にただ歩きやすい道を進んで行きます。
ぬかるんでいたら最初からテンション下がり気味で進むことになりそうですね。
迷うことなくこちらの温泉コース分岐に到着です。
この先は道の雰囲気が変わってきます。
石っぽくて歩きにくさが少し加わります。足首の弱い人はぐにっとやらないように注意が必要です。
視界が開けてくると安心するのが私の山あるあるです。
樹林帯だとなんとも言い難い不安というか恐怖心みたいなものが…はい。ビビりなので。
このまぶしいくらいの天気も帰りにはもう大変なことに…(´Д`)
目印のカムイ天井に到着です。
ここまでは特にキツイ箇所もなく到達可能です。もちろん寝不足だとしんどいですが。
特に見晴らしもいいわけではないので、10分ほど休憩して出発です。
この先は木道多めの登山道を進んで行きます。
写真はないのですが、新しい木道用の木が置かれていました。
修理というか交換の作業をしてくれている人たちへの感謝の気持ちを忘れずに。
すごくキレイに見えていますが、気が遠くなりそうなこの距離感( ´△`)
ここからは登るんだけど下りもあるよ!というオマケ付きゾーンに突入します。
帰りは登り返しだなぁ…なんてマイナス思考になりがちなポイントです。
そこそこ急な道です。
足場もあまり良くないので派手に転ばないように注意しましょう。
あと、時期にもよると思いますがこのあたりは虫のパラダイスになりそうな予感です。
下り終わるとコマドリ沢出合いに到着です。
ここも休憩は10分ほど。
水分補給して塩タブレットを食べて出発です。調子が上がってきたようです。
出合いからコマドリ沢を登って行きます。
この枯れ沢がコマドリ沢でコマドリの繁殖地が名前の由来だそうです。
写真は上から振り返って撮ったものです。
そこまで急でもないので淡々と登ります。
緩いとか急とかは「感じ方には個人差があります」状態だと思うので実際に体験するのが手っ取り早いですね。
私個人的には楽でした。ただの登りです。
夏の間にそこそこの強度の山に登りまくったのがいい感じに効いてますねv(。・・。)♪
そんなこんなで看板登場です。
石というより大きめの岩の感じなので、歩きにくさは抜群です。
ここからの岩ゾーンではナキウサギと遭遇できます。ちなみに遭遇できました。
図鑑やらで見る以上に実物は非常にネズミ感の強い生きものです
さすがに写真はないんですが、
冬用の食料なのか寝床作りのためなのか草を岩の隙間にせっせと運び込んでいました。
冬眠すると思っていたのですが、しないんですね。ナキウサギ。
この冬眠しないのは有名な話らしいですが、私は知りませんでした。
それ以降は鳴き声すれども姿は見えず。
どこかなーなんて探していると前トム平に到着です。
前トム平までもそこそこな登りですが、
ナキウサギを探しながらだとそんなに気にならないと思います。
先を見るとまだまだ岩ゾーンが続いています。
ここは休憩なしでさくっと進みます。
緑がなくなった後は、ガスったら道をロストするであろう危険地帯です。
体力面とこの辺の地形的な話も含めて気軽に登っていい山ではないです。まじめに。
確かに目印のロープはありますが、岩と同化する感じで見えにくいです。
ずっとロープをたどればいいんでしょうけど、
歩きやすいところを無意識に探して見失ったらなかなか難儀しそうな感じです。
道っぽいところはそこまで不安にはなりませんが、
全体的に道をロストするor自分の位置を見失う危険は高い印象です。
ここの雪はもう融ける暇はないので上からどんどん積もりますね。
そういえば、
ここから見える遠いところで1人用のテントが吹き飛ばされていました。黄緑色のテント。
縦走だったら致命傷な気もするんですが、特に慌てる人も見かけなかったので謎のままです。
そんなこんなでトムラウシ公園に到着です。
ここも休憩はなしで通り過ぎます。写真だけバシバシ撮りました。
周りもめっちゃキレイに見えてテンションも上がります(。・ω・。)
青空がこのまま続けばいいのに…そんな願いは打ち砕かれるんですけどね。
願った時点でこの雲が現れたので、この先どうなるのかなんて察するのは容易です。
それでも遠くの山はいい感じに見えているのであまりへこまずに進みます。
この絵↓がすごく好きです。
上手く言えないんですけど、ここ付近の感じが私はすごく好きみたいです。
とかなんとか余裕かましていたらガスっぽくなってきました。
道っぽくなってはいますが、このあたり↓も濃いガスが発生すれば道は簡単に見失える危ない場所です。
青空がほぼなくなった頃に南沼分岐に到着です。
キャンプ指定地ですね。山頂アタック前のちょうどいい休憩ポイントです。
そろそろおなかが空いてきたので休憩しておにぎりを食べます。
晴れるのを待つか悩みましたが、天気をしっかり読んでまた来ればいいということで突撃です。
この時なぜかキスカ島撤退作戦時の木村少将の帰ればまた来られるって言葉を思い出しました。
ガスってたし乾坤一擲の感じがしっくりくるなぁ…なんてしみじみ感じていました。
もちろん命のかけ方もかかり方も全く違うんですけど。
無事に帰ればまた来られますからね。ということで(?)山頂向け出発します。
道はわかりにくいです。
晴れていれば問題ないが今は余裕かましてる場合じゃない。迷う。
とすぐに感じたので、いい経験でいい勉強になりました。
頂上までは写真を撮る余裕はカケラもないくらいの風だったので何も絵はありません。
風が強すぎて息を吸うのが大変なんて初体験でしたし、
その強い風に全てのやる気と気力も吹き飛ばされたのも言うまでもありません。
ある程度の身の危険を感じましたが、直感的で野生的なアレで大丈夫だと確信できたので登ります。
そしてトムラウシの山頂に到着です。
この天気!!!何もう!!!なんて怒ってません。わかっていたので。
見えるけど見えないこの感じ…。
たまに晴れると元気が出ますねヽ(゚▽゚*)ノ
天気もこんな状態なので、お菓子と水分を補給して下り始めます。
遠くにあやしい黒っぽい雲も見えてきましたしね。どう見ても雷雲。
登り同様下りもルートを見失いがちです。
下りる先は南沼だとわかっていますが、急な上にわかりにくいのでいろいろ消耗します。
南沼はスルーしてさくさく下って行きます。
歩きにくさ抜群です。この岩たちのおかげで。
少し雨というか雪というか…何かが降っていました。そしてきっと止まると寒い。
心の中でごちゃごちゃ文句を言いながら下って行くとトムラウシ公園が見えてきました。
下りるのはやっぱり早いんですよね。
ここも休憩せずに通過します。なんか調子いいみたいです。
行きと同じような絵↓が撮れました。
写真を撮ろうと思うポイントってなぜか往復で同じなんです。…じゃないですか?
ここからは、下りで注意!道ロスト危険地帯です。
登りは特に問題はありませんでしたが、それなりにわかりにくかったです。
黄色や白の印はあるんですが、見えにくいんです。
しつこいようですが、ガスったらマジで危ないと思います。
自分がどこにいるのか?どっちに向かっていたのか?を見失う危険があります。
こっち↓なんか迷ったらどうするの感でいっぱいです。(下れば良くね?じゃないですよ。まじめに。)
あと、少し雨っぽかったのでなおさら危険に感じました。
ルートハンティングしつつの慣れない岩歩きなんですが、ちょっと楽しいかもしれないなんて感じながら歩きました。
帰りもナキウサギを探したり遭遇したりしながら、岩場を満喫して前トム平まで戻ってきました。
ここも通過するだけ。
じゃんじゃん下ろう!疲れもほとんどないしね!
あと、ヒョウも降ってきたしね!!!
ちなみにヒョウに降られたのも実は初めてで、喜ぶところじゃないんですがプラス思考でいられる不思議な感じでした。
いざ、コマドリ沢出合いへ。
ここの↑コマドリ沢出合いまでの下りで、ミスられたソール交換への怒りが爆発しそうでした。
(ソール交換の詳細と一部始終はこちら→ソール交換で上級モデルに!?)
滑るのなんのって。
この程度で滑られちゃあ困るぜ!と軽くイラッとしながらコマドリ沢に到着です。
そしてすぐに出発して登り返しに向かいます。
体力よりも精神的に疲れる、下ってるのに登らなきゃいけないこの感じ。
このあたりでヒョウ時々雨(そこそこな強さ)に変わりました。
でもたまに晴れる。
周りがぬかるんでいる時にはありがたい木道も、濡れている時には滑らないように注意が必要です。
とぅーーーん!と横滑りしないように。
自然の中では行きには気付かない発見が帰り道にはたくさん潜んでいます。
…私これ気付かなかったの?なんて不安になるくらいの存在感の看板をスルーしていました。
きょろきょろ新しい出会いを探しつつ、
遅いんじゃない!足元が悪いんだ!と責任転嫁しつつ、カムイ天井に到着です。
すみません。写真はありません。通過時刻を取っただけでスルーです。
駐車場とカムイ天井の間の写真は行きにほとんど撮れていなかったので振り返りながら。
こんなところ通ったんだ…なんて新たな発見とともに下って行きます。
ヒョウと雨の攻撃を食らったり、木道でちょっと滑ったり、足首をひねりかけたり。
いろいろあって逆に元気になってます。逆境で燃えるタイプなんですね、私って。
ここ↑だけは行きに通ったという事実をしっかり覚えていました。
もちろん、どこからどのくらいとかいう記憶ではありません(´▽`)
太い木が2本あった!というだけ。
おかしなテンションで歩くと分岐に到着しました!
登山中に見る○○まで●●kmって意味があるのかないのかわかりません。平地とは全然違うので。
濡れていなければ間違いなく1つずつジャンプしながら渡っていたであろう場所です。
忘れるな 子ども心と 遊び心(字余り)
もちろんケガしないのが大前提の子ども心と遊び心です。
体は衰えるので心と体のレベルを合わせて目いっぱい安全に遊び尽くします。
最後の方は歩きやすいので、疲れていても問題なくさくさく行けると思います。
そして無事に駐車場に到着ですъ( ゚ー^)♪
なかなか長くて遠い道のりでしたが、周りの景色も変わるので飽きることはなく淡々と歩き続けられます。
歩き続けられれば無事に帰って来られます。
もちろん、体力と脚力に問題がなければ。
色々足りていない時は、お呼びじゃないって山から感じるのでその時はおとなしく撤退しましょう。
私は冬山で感じましたが、撤退する決断も大切で必要です。
帰ろう。帰ればまた来られるから。です。