夏山登山でゴアのカッパを着て蒸れて不快な体験は以前書いたとおりなのですが、
そこで今さら存在に疑問が湧いてきたゴアの帽子についてです。
そもそもゴアテックスとは、防水透湿性素材のことです。
外からの水を防ぐ+内の汗などの水蒸気を放出する、ことができる素晴らしい性質を持っています。
カッパすなわちレインウェアでは非常に重宝する素材です。
でも帽子は?特にゴアである必要はないのでは?と思ったのでいろいろ書いています。
ちょっとした雨の時ならゴア帽子はいいかもしれないですが、晴れた暑い日なんかはどうなんでしょうか。
まず、登山に帽子はいるのか?
暑い日には帽子は外して歩いている時もあるので、
なくてもいいと言えばいいのですが、あった方が色々安心できます。
たとえば…
頭をガード
登山中は倒木があればくぐったりすることもあります。
くぐるとたいていの場合、頭をぶつける以外に泥っぽい何かが付着します。
あとは変な虫。たいていウネウネした変なヤツが付きます。
それらが直に頭に付くのを防いでくれるので、テンションも下がらずに歩くことができます。
あとは、登山道に垂れさがる謎の草がぺしぺし顔に当たるのも帽子があればほぼガードしてくれます。
転んだ時もヘルメットほどではないにしてもある程度なら頭を守ってくれます。
石や枝に直接頭をぶつけずに済みますしね。
…もちろん激しく転んだら保障はできませんが。
言うまでもなく日よけ
こっちが先ですよねという感じですが、帽子は強い日差しから頭や顔などを守ります。
直射日光を頭で浴びると、熱疲労の原因にもなるそうです。
昔の部活を思い出せば納得です。
日差しの強い日は具合の悪くなる子が多かった記憶です。
それと、登山は普段より標高の高いところへ行くので、降ってくる紫外線の量も普段より増えます。
こんなことを登山する身で気にするのもあれなんですが、
紫外線による日焼けはシミ・シワの原因になりますし肌の弾力低下などの老化にもつながります。
頭皮の日焼けはフケの発生原因にもなるとか…。
山に登るのである程度は仕方ないのですが、防げるところは防いでいくのも大事だと思います。
あった方が色々いいと思う登山の帽子
直射日光よけ&頭の防具になる帽子なので、登山には持って行くのがおすすめです。
暑くなったら一時的に脱げば済む話ですしね。
私もたまに頭がかゆくなるので脱いで歩いてますし。
脱いだ時はザックにしまうか登山道に落とさないように工夫して持ち歩きましょう。
ちなみに、虫嫌いの人は帽子は必需品です。あるだけで顔へのアタックが多少軽減されます。
防水性のある帽子は登山に必要なの?
登山をする上で帽子に防水性って必要なんでしょうか。
自分の登山中をよく思い出してみると…
そもそも雨の日にわざわざ山には行きませんが、雨に当たることは時折あります。
山の天気は変わりますので。
小雨や霧の時は、特に何を気にするでもなく普段の登山用帽子(ハット型)のまま登山を続けてます。
汗はかいているし、さらに雨や霧で濡れても大して気になるような問題ではないですね。
あえて雨降りの日に突撃したゴアカッパの実験の日を思い出すと、カッパのフードをかぶっていた気がします。
帽子(ハット型)はナイロン製でちゃんと防水処理してあるものでしたが、
帽子だけだと直接あるいは帽子のツバを伝ったりしてどうしても首のあたりから雨水が侵入してきます。
これがまた地味に冷たい。
そこでカッパのフードの登場です。
首からの微妙な雨水の侵入はこれで防ぐことができます。
面白い見た目になるのと、周囲の音が聞き取りにくくなるのが難点ではありますが。
(ひどい雨や暴風雨だとフードをどんなに絞っても侵入することがあるようなのですがそこはまた別問題ということで。)
どうせ汗をかいて頭はそこそこ濡れている・カッパにはフードが付いているということからの結論なんですが、
帽子の防水性はあって困るものではないがないと困るものではない、という感じです。
ゴアテックスの帽子が活躍しそうな時
やっとゴアの帽子の話に突入していきます。
まず最初はゴアテックスの帽子を使って良さげな時を考えてみます。
こんな時ならゴアの帽子はいいと思う!的な感じを独断と偏見で。
[ザノースフェイス] GORE-TEX Hat NN02304 ブラック
レインハットとしてかぶる
登山というよりアウトドアや通常の生活での話ですが、
- 傘を使うのが面倒
- 物理的に傘を使うのが無理
- 傘を使うほどの雨ではない
そんな時に活躍してくれそうです。
頭がしっとり濡れて前髪がおでこに張り付いた状態でお店とか入るのはなんだか抵抗ありますし。
あとは、ちょっとした雨の時にフード付きの上着でフードをかぶる代わりに役立ちそうです。
フードは手軽でいいんですが、周りの音が聞こえにくくなるので危ない気がします。
登山中はもちろんなんですけど特に街中は危ないと思います。
車も自転車も歩行者も動きが読めない時があるので、あまりオススメしません。
ゴミ捨てなどの短距離ならいい気もしますが。
フードではなくて帽子なら音を遮ることはないので、そういう意味では安全ですね。
こういう感じで激しく運動しなければゴアが追いつけないほどの汗をかくことはないので、ゴアの恩恵に与りつつ快適に活動できそうですね。
防水スプレーを使えば…というのは今は言わずに進みます。
ゴアの帽子の残念かもしれないポイント
おそらく頭も蒸れに蒸れて気持ち悪くなると思います。
個人的にゴアの帽子は持っていないので、あくまでもカッパを着用した時の経験からです。
ゴアカッパ実験の 夏登山でカッパ着用は蒸れるって体験をしてみた でも書いているのですが、
ゴアテックスも無敵ではなく飽和します。
ゴアの飽和について簡単に言うと、
『カッパの内側と外の空気の温度差が少ない場合は効果が出にくい』
です。
人気の登山シーズンは主に夏です。
外気温も体温も冬のような差は出ません。
そして、夏は湿度も低くはなく空気中には大量の水が含まれています。
すでに水がそれなりに含まれている空気中には放出できません。
なので、夏のカッパ内は快適になりきれない…というわけですね。
さて、頭はどうでしょうか。
気温によりますが、それなりに汗をかき、ひどい時は顔に流れるレベルの時もあると思います。
そして帽子の中で、元:自分の汗である水蒸気達も逃げる場所なく、その場にとどまることになります。
帽子の中もゴアカッパが飽和してシャツがぐちゃぁっと気持ち悪い状態になったのと同じことが起こるのでは…。
あまりに暑い日なら帽子を脱げば済む話ですが、
いちいち脱着するのはめんどくさいですし、脱着を繰り返すと落とす可能性もゼロではありません。
要は、使いどころを決めてあげる、ことが大切なのだと思います。
小雨の時でカッパのフードをかぶるにはちょっとな…という時に、ゴア帽子は活躍してくれそうです。
ゴアはお手入れも大変です
ゴアテックスのお手入れのめんどくさ…手間のかかる感じはもうご存知のとおりです。
まずは洗剤。
ゴア製品を洗濯する時は、柔軟剤・漂白剤・蛍光剤入りの合成洗剤は使用禁止です。
こういった成分が製品に残ることで、撥水性・透湿性がなくなってせっかくのゴアテックスが無意味になります。
洗濯のすすぎは、洗剤成分が残らないようにとにかくよーーーくすすぐ。
多めの水でしっかりすすいで成分を残らず流していきましょう。
脱水は、とにかく短時間(しなくてもOK)で済ませる。
など気にするポイントが多いです。
あと、手入れではないのですがゴアテックス製品って比較的お値段が高めというのもちょっと気になる点です。
買うか悩むレベルの場合は、レンタルでお試ししてからがいいかもしれません。
おすすめなのはポリエステル製の帽子
私が汗っかきなのかは自分ではわからないところですが、登山だと今までにないくらい汗をかく時もあります。
本来なら帽子は暑いし脱げば荷物になるしで置いて行きたい気持ちもありますが、
- 倒木や謎の植物から頭と顔を守る
- 虫こっち来んな!特に顔!
という明確な目的があるので帽子は必ずかぶって行きます。
よって、通気性・吸水性・速乾性がある帽子を使うことで不快な感じはかなり軽減されます。
上の方でも書きましたが、ゴアテックスはその他の素材と比べて蒸れやすい素材です。
そこでおすすめなのが吸水速乾のポリエステル製の帽子です。
綿も通気性に関しては良さげなのですが、一度吸った水分がなかなか乾かないという問題があります。
Tシャツと違って頭なら冷えて寒いという問題は少ないと思いますが、いい具合に汗を吸って乾かない帽子ってちょっと気持ち悪そうです。
ちょっとした雨が降っている時に濡れたくない場合は、帽子を撥水処理することで話はまとまります。
表面がナイロン製の帽子だったら、スプレーなどを使って処理して撥水性を持たせれば頭濡れ問題は解決します。
そもそも最初から撥水加工されているものを選べばいろいろと手間が省けます。
[ヘリーハンセン] ワッペンフィールダーハット 表地ナイロン100% 裏地ポリエステル100%
こうやって自分で解決できるので、ゴアテックスの帽子じゃなきゃ絶対にダメ!なんてことはないんです。
ポリエステル製の帽子は、私自身も登山で使っていて今のところ不快な問題も使い勝手の悪さもないのでおすすめです。
洗濯や普段のお手入れも気にするポイントはないようなものなので悩むことなく使えます。
ちなみに帽子の形はキャップでもハットでも持っている登山服に合わせて好みで選んでも特に問題はありません。
アイテムの売り文句を鵜呑みにせず、機能性・使い勝手・好みなどから総合的に判断して購入するのが、
後悔なく相性のいいアイテムを入手できることにつながると思います。