一体このザックにはベルト何個付いてるんですか?
私が初めてザックを買って背負った時に思ったことです。
まじめに向き合えばすぐにマスターできるザックのベルト調整です。
これができるできないで、登山の快適度はかなり変わってきます。
ザックのベルトの前に
ベルトの前にザックの選び方というかザックは男女用でそれなりに違う点があるので見てみます。
ここで違うものを買うと、ベルト調整マスターになっても無意味なので。
第7頸椎から腰骨最上部までのことを背面長と呼びます。ザックだとこんな感じでしょうか。
背面長とザックの背面が合っているものを選ばないとめっちゃ背負いにくいよってことですね。
適切な、とはどのような状態なのか。
それは、
- ショルダーベルトの付け根が肩甲骨の真ん中
- ヒップベルトの真ん中が骨盤の上の角
あたりにあるものです。
容量の大きいザックはショルダーベルトの付け根を動かして調整できますが、
中くらいから小さめザックは調整できないものがほとんどなので買う時に背負ってみてじっくり選びます。
私のザックもレディース用ですが、買う時にメンズ・ユニセックスのザックも背負ってみました。
メンズ用ザックは背面長が長く、
ヒップベルトが骨盤の上ではなく、むしろ下側にある?くらいの感じでした。
登山どころか平地を歩く時にもなかなか難儀するだろうな…というのは容易に想像できます。
ユニセックス用ザックはメンズ用と大して変わらなかったです。
何種類か背負いましたが、ヒップベルトがどうもしっくりくる位置で固定できないものばかりでした。
というわけで、
見た目(というか色)でメンズ用のザックが本当は欲しかった私ですが、
登山で歩きにくいのは致命的なんて考えなくてもわかるのでレディース用ザックを使っています。
ザックを選ぶ時は、リアル店舗で色々背負ってみて自分の体型に合うかどうかしっかり見極めるのが大事です。
色んなベルトの呼び方を見てみる
ベルトをいい長さに調整できていないと、今日しんどい…とかザック重くね?みたいな苦痛を味わいます。
ちゃんと調整することで、登山中の疲れ方も変わってきます。
ザックの扱いに慣れてくると歩きながらその時の自分の楽な締め付けに変えることもできます。
よし。ベルト調整しよう!の前に呼び方を見てみます。
調べてみるとメーカーによって微妙に呼び方が違うというのがまた困りものですね (-。- )
そこでここでは普段自分が呼んでいる&耳にする呼び方で書いていきます。
グラブループ
ザックを持つ時に使う取っ手みたいなもの。
ショルダーベルト
背負うためのベルトのこと。
ショルダーストラップ
引っ張るとショルダーベルトの調整ができる。
ショルダースタビライザー
これを調整してザックの揺れをなくし体にフィットさせる。
サイドベルト
ザックの外側に荷物を固定、これを締めてザックを縮めたりできる。
チェストベルト
ショルダーベルトの幅調整、ザックの振れ軽減など。
ヒップベルト
腰付近でザックを支えるベルト。
ヒップベルトって呼ばれていますがケツっていうよりウエストだと個人的には思います。
ヒップストラップ
ヒップベルトを固定するためのもの。
ヒップスタビライザー
これを調整するとザックの下部分と体をフィットできる。
ベルトの調整
続いて実際のベルトの調整方法についてです。
手順とちょっとしたポイントや気にしておきたいことをざっくりと書いてみます。
ザックに荷物を入れる
登山に行く時を想定したパッキングをして背負うのがおすすめです。
スカスカザックでベルト調整しても何も意味ないですので。
全てのベルトをゆるめにしておく
ゆるめておかないとまず背負うことすらできないかもしれません。
ザックを背負う
周囲の安全確認をして背負いましょう。
ヒップベルトの位置を合わせる
ヒップベルトの真ん中が骨盤の上の角にくる位置だと苦しくなく、ずれにくい位置になります。
ザックの重さはショルダーベルトとヒップベルトで支えます。
ヒップベルトがずるずる下がらないように天然ストッパーになる骨盤の角を利用します。
骨格差があるので全員が同じ位置が適切ではありませんが、
- ずれない
- 下がらない
- 苦しくない
ということだけは気にしていきたいところです。
ヒップストラップを止める
カチッと止めるバックルはおへそのあたりに。
どちらかに寄り過ぎていると見た目からもちょっとカッコ悪いですしね。
ショルダーストラップを少しずつ締める
自分の背中を苦しめないように締めます。
このくらいかな?まで締めたら一度ザックを下ろしてストラップの長さをチェックします。
背負ったままの調整では左右の長さはかなり違うと思うので、どちらか良さげな方に長さを合わせます。
左右の長さが明らかに違うままだといわゆる片荷状態になって、登山中にじわじわと疲労させてくる上に肩こりまで誘発します。
ここで大事なことなのですが、
もしかしたらもともとの骨格が真っ直ぐではない、例えば片方の肩が下がっているなんて方もいるかもしれません。
私のように。
片荷じゃないのに骨格的に左側が下がっているせいで、片荷ってるよ!なんてよく言われます。
なので、
ストラップの左右は合わせるのが基本ですが、自分の骨格も考えて調整していく必要があります。
ショルダースタビライザーを締める
ザックと体を密着させます。
このスタビライザーの役目はこれだけではなく、引っ張ることでショルダーベルトの肩への負荷が軽減されます。
その負荷はヒップベルトにいくので、その場合はヒップストラップを調整します。
私が登山中に引っ張ったりゆるめたりしているのはこの肩スタビとヒップストラップです。
慣れたら歩きながらでも調整可能です。
登山中に、肩きっついなぁ…肩スタビ締めてるのに…となったらヒップストラップぎゅっと締めます。
逆に、なんか腰痛てぇ…という場合は肩スタビをゆるめる・ヒップストラップを少しだけゆるめることで負荷が軽くなります。
登山中に自分のタイミングで調整することで疲労軽減につながってきます。
ヒップスタビライザーを締める
ザックの下部分が体に引き寄せられてさらに密着します。
…正直ここは最初以外ほとんど触っていないので、あまり影響の強い部分ではないと思います。
でも、締めておきましょう。
チェストベルトを程よく締める
苦しくないですか?という感じで、自分が苦しまない程度の長さに調整します。
ザックを重く感じる時に肩への食い込みの軽減・肩からずり落ちないようにするためのものですが、
息苦しいとか窮屈なんていう理由で使っていない人が多いです。
確かにチェストベルトを締めると苦しく感じることが多いので普段は使いませんが、
ぷち岩登りのある山や急斜面の上り下りの時には使っています。
一度調整すると普段あまり触らないベルトもありますが、
パッキングの内容によっては毎回の微調整をした方が快適に背負えることもあります。
あとは服装の全く違う夏と冬で調整し直すのは必要ですね。
たかがベルト。されどベルト。
そんなザックのベルトの名前と調整についてでした。