家にいて聞こえてきてもあまり心地よくない雷です。
遠くでゴロゴロ鳴っているくらいならまだしも、家の窓が震えるくらいの大きい音だったり、今の落ちたよね?くらい近いと本当にびっくりします。
それが登山中だったらどうしましょうね…。
予防策って何かないんでしょうか?
今回はそれについて考えていきますよ。
対策するには敵を知る
虫と同じです。
まずは雷って何なの?から見ていきます。
どうでもいいのですが、気象現象の不思議感が私は好きです。
雷とは
まず雷とはですが、電気です。
知ってますよね。すみません。
ざっくり雷についてまとめました。
ご存知の通り、電気にはプラスとマイナスがあります。
このプラスとマイナスの間を流れる時に雷は発生します。
雷雲の中で発生した電気は電流としてプラスとマイナスの間を流れます。
電気を通さないはずの空気の中を強い力で強引に流れるので、空気は熱せられて震えます。
この震えがゴロゴロ鳴る原因です。
近くでバリバリなる雷で家の窓が震えるのも、空気の振動が伝わっているからだと思うと納得ですね。
こどもの頃に聞いた話などは…
おへそを取られるよ!とかよく言われたものです。
おへそは取られようがないんですけど、あの正体不明のゴロゴロはこどもの頃は怖くて仕方なかったです。
しかもいきなり光ってびっくりします。
高いところ云々とか木の側は危ないとか…いろいろ聞きました。
これらについては別の記事で詳しく見ていきます。
今回は、遭遇しないために出来る・やるべきことについて考えていきますよー。
天気予報と天気図の確認
山の天気を見極めるの記事でも書いたのですが、雷こわいとか何か対処しなきゃなどの前にすべきことがありますね。
それは天気図・天気予報の確認です。
これをすることが落雷などの天気に関わる災害に合わない一番良い方法です。
自己防衛です。
雷の発生しそうな状況を予測して、下山時刻の繰り上げ、途中撤退、登山の中止・延期などの対応をすることが出来ます。
全てではないですが、いくつか例を挙げていきます。
寒冷前線が通過すると予想される場合
前線の通過する際には、大気の状態が不安定になります。
テレビの天気予報などでも聞きますよね。
こんな時には、地上でも雷を伴った雨(強い)が降ったり、突風などの恐れもあります。
この現象はちょっとだけ詳しく書くと…
寒冷前線の進む方向にある暖かい空気と、後ろにある冷たい空気が影響し合います。
暖かい空気の下に冷たい空気が入り込むことで、強力な上昇気流が発生し、積乱雲ができます。
この積乱雲が雨・雷・突風の原因になります。
こんな時に登山なんて誰も行きませんよね。
なので、寒冷前線の接近時にも山には行かないようにします。
雷注意報の出ている時
これは言うまでもありませんね。
雷注意報とは言いますが、実際には先ほど書いた積乱雲の発達に伴う比較的激しめの気象現象についてを指します。
人や建物などに被害が起きるかもしれない時に気象庁は発表します。
落雷以外には、強い雨(急な)・突風(竜巻など)・ひょうなどです。
こんな時は登山どころか外出自体を避けたいですね。
積乱雲の発達
先ほどまでの内容とかぶりますが、とにかくこの積乱雲がすべての原因なんじゃないかと思っています。
有名な話ですが夏に見るあの入道雲も積乱雲ですね。
夏は日本全体は太平洋高気圧に覆われていますが、夏も終わりに近付くと高気圧の力は弱まり、積乱雲の発生頻度は高くなります。
夏の夕立はこんな原因なんですね。
そしてこの積乱雲はゲリラ豪雨の原因だったりもします。
遭遇したことが何度かありますが、傘がまったく役に立たないすんごい雨の時はもういろいろ諦めます。
ひょうとあられが降っている
もはや出かける理由はありませんが一応。
こんな時に家から出るなんてよっぽど非常事態くらいでしょうけど、登山中に降ってきたら即中止あるいは避難等のその場に合った適切な判断が必要となります。
ひょうもあられも積乱雲の中で作られて降ってきます。
ということは。
もちろん雷も伴います。
ひょうは直径5mm以上、あられは5mm未満と大きさで名前が変わります。
どちらかと言うとですが、ひょうは比較的激しい上昇気流のある積乱雲の中で出来るため、こちらの方が雷を伴うことは多いと思います。
…どちらにしても当たれば痛い(で済まないかも)ので、登山中に遭遇した場合には適切な判断が重要です。
AMラジオにノイズが入る
ラジオにノイズ(雑音)が入ります。
だいたい50km離れた雷の電波の雑音をAMラジオなら拾ってくれます。
山で霧が発生していて周囲がはっきり見えない時でもラジオのノイズで雷の接近を知ることが出来ます。
クマ対策としても使えるのでラジオの携帯は有効だと思います。
なんだか長くなりましたが、雷の予想できるポイントはこんな感じです。
司法判断もされている
登山中の話ではありませんが、落雷事故での注意義務違反という司法判断も下されています。
落雷事故による訴訟で、監督者に対して注意義務違反が認定された事例があります。
雷は予見・予測可能で事故は回避可能なものだったと司法でも判断されたということです。
よって、登山者も雷から自分の身は自分で守るべきどころか守れるものだということがわかると思います。
個人での登山はもちろんですが、団体登山でも同じ。
リーダーは落雷の予測および避難させるなどの能力が必要で、仮に事故が起きれば法的に責任を問われることもあると思います。
自然現象なのでこわいしわからないことだらけですが、出来ることはしっかり実践していきたいですね。