高いところ云々や車の中は安全など雷にまつわるいろいろな話がありますよね。
本当なのか。ただの迷信・噂なのか。
こういった雷の話に合わせてそれぞれの対処法などを過去の事例なども元に見ていきます。
雷被害を受けない方法を考える
大前提なのですが、雷はどこにでも落ちます。
外にいればどこにいようとも雷の被害に遭う可能性はゼロにはならないということです。
登山中で考えてみると…外を歩いている時はもちろん危険ですよね。
避雷針のある山小屋に速攻で避難できればいいのですが、そんな強運の持ち主は少ないと思います。
なので、
外にいて雷の被害に遭う可能性を低くする・雷の鳴っている時にやってはいけないことについて考えていきます。
雷は高いところに落ちる
よく聞きますね。
実際に、地面より出っ張ったところに雷は落ちようとします。高い木や鉄塔などです。
山で言えば、頂上や尾根上、先ほどと同じく高い木はもちろんですが、平地に立っているのも危険です。
地面より出っ張っているので雷に狙われやすくなります。
実際に山で起きた落雷事故は、山頂付近・尾根上で多数発生しています。
また、しゃがんでいる人より立っている人に落ちる傾向も顕著に表れます。
テントに雷が直撃することもあるようなので、やはり、地面から出っ張っていると雷に狙われやすくなることがわかります。
高い木の近くは危ない
仮に木に落雷した場合、木のすぐ側にいると被害を受ける恐れがあります。
木からの側撃(横に飛んでくる雷のような感じです)を受けるので、木から数m離れた方がいいらしいです。
雨が降ってきて木の下で雨宿り。なんて無意識にしてしまいます。
が、もし雷が鳴っているようなら木から離れましょう。
木の下で側撃を受けた事故例も実際にあるので。
比較的安全だと言われている場所は、高い木の先端を45度に見上げる場所からその木の幹の3~4m手前までの範囲内の場所、とされています。
ゴロゴロ鳴っていたら怖くて場所を探すのも大変ですが、しっかり自己防衛です。
電気の通りやすいものに落ちる
当たり前でしょって言えばそれまでなんですが一応。
電気を通しやすいものは、
鉄塔、傘、ピッケル、ポール、濡れたもの、そして人間です。
これらに直撃するだけでなく、その後に付近にある電気を通しやすいもの(人間も含む)に側撃することもあるそうです。
もうひとつ怖い例ですが、電気の通りにくい岩場などに雷が落ちた場合についてです。
岩などに落ちた場合、電気は地中に逃げられずに地面を伝って横方向に電気は移動します。
そこに電気を通しやすい人間がいたらどうなんでしょうか。
側撃を受けます。実際に起きているようです。
仮に大人数でこのような状況に遭遇した場合は、バラバラになりましょう。
1か所にかたまっていると全員が直撃あるいは側撃を受けます。
こういった場合ですが、地面に伏せてはいけません。
地面からの側撃なので、側撃をくらいやすくなります。
伏せずにしゃがんで対応です。
金属を身に付けているのは危険
よく聞きますね。
ですが、最近では少し前とは違う解釈になっているようです。
人間は電気を通しやすいのはしつこく書きました。
その人間に雷が落ちた後、さらに電気を通しやすい金属(ベルトのバックルや衣類の金具など)に電気は集中します。
そうするとその部分だけ激しく破損します。
少し前までは、この結果から「金属を身に付けたら危ない」になっていました。
正直なところ、人間自体が電気を通しやすいので金属の有無による落雷の危険性には差はないようです。
逆に、金属部分に雷の電気が集中することで、一命をとりとめる可能性もあるとのことです。
(心臓に電気が通る通らないで結果は変わるようです。)
遠くで雷の音が聞こえたら避難態勢を整える
このままですね。
雷は10km以上離れていても落ちることがあるそうです。
まだ遠いから安心なんてことはありませんので、即避難態勢を整えて安全な場所へ避難しましょう。
音が聞こえたらその場所はすでに雷の落ちる危険がありますよ。
安全な場所って?
自分で書いていても、雷に対して安全な場所ってあるの?と疑問になってきたので最後にこちらを。
- 送電線の下で送電線の真下から数メートル離れた場所
- 送電線の鉄塔から数メートル離れた場所
- 高い木の先端を45度に見上げる場所からその木の幹の3~4m手前までの範囲内の場所
- 車の中
です。
上記したものは、送電線も鉄塔も木も車も、人間よりもそちらに落雷するから安全だということです。
数メートル離れるというのは木の下と同じく側撃を受けないためです。
この場合も姿勢は低くして避難です。
車の中でも山小屋でも、壁や柱に近寄らないようにします。
もちろん電気製品や金属には触らないですよ。危険を少しでも減らします。
雷の電気が地面に逃げる前に人間を通過するのを防止します。
屋内で電話をしていて雷の被害に遭った例もあるので要注意です。
登山中であれば山小屋への避難は言うまでもなく有効です。
近くにあれば即避難します。
ただし、
この山小屋というのは避雷針がついたしっかりとした建物のことです。
東屋などに避難しても人間に落雷する危険はあります。
雷対策のまとめ
いろいろごちゃごちゃ書いてきましたが最後に整理しつつまとめていきます。
危険な状況
- 平らな開けた場所で立っていること
- 頂上・尾根付近にいること
- 高い木のすぐ横にいること
- 頭より高い位置に電気を通しやすいものがあること
- テントの中にいること
- 大人数などで1か所にかたまること
- 地面に伏せること
などです。
いわゆる樹林帯では木だらけですので距離は取りにくいですが、なるべく木から離れます。
木の幹に触るなどはしないようにしましょう。
とにかく標高を下げる
高い場所は危ないんです。
なので、
山頂付近であれば即下山。斜面や窪地で姿勢を低くして雷の通り過ぎるのを待ちます。
尾根であればコルなどの低い場所へ移動。姿勢は同じく低くします。
などです。
現在位置よりより低い位置に避難することが有効です。