北海道で登山をするなら常に意識していたいヒグマ。

登山や山菜取りなどで山に入る場合は、ヒグマと接触しても冷静に対処できる心構えが必要となります。

対ヒグマで一番有効とされているクマよけスプレーについて見ていきます。

効果や注意、使い方などを簡単にまとめました。

痕跡発見・遭遇したら

ヒグマの記事はいくつか書きました。

そこでも触れた内容なので簡単に。

痕跡

ヒグマの残した痕跡を発見できるとできないでは全く変わってきます。

  • フン
  • 足跡
  • 爪痕(木の幹など)
  • 獣臭

などです。

真新しいかどうかは見ればわかると思うので、もし、そんな新しいヒグマの痕跡を見つけたら登山の中止などの判断が必要になります。

実際に、とある沢で行けども行けども新しいフンと飛んだばかりの水しぶきに遭遇したことがあります。

これは戻るべきか?と思った先にはもう痕跡はなくなったのでヤブの中に逃げたのだと思いますが、
こんな風に知らないうちにヒグマを追いかけてしまっていることもあります。

ヒグマは近くにひっそり隠れて私たち人間がいなくなるのを待っているかもしれません。

痕跡にちゃんと気付く注意力も大切ということですね。

ルートハンティングや動物の痕跡に気付くこと、中止か続行かの判断など、登山中は色々気を配ることがたくさんあります。

遭遇したら

一番やってはいけないことは、

背を向けてダッシュで逃げること

です。

犬もそうですが走って逃げるものを追いかけますよね。同じです。

びっくりしても走って逃げたりしなしように気を付けたいものです。

時速60キロで走れるヒグマからは逃げ切れるわけがありませんから。

スプレーは効果あるの?

現在インターネットなどで販売されている「クマよけスプレー」は、北米の対グリズリーで効果のあるものです。

ヒグマに効果は?と疑問になりますが、

  • 対野生のヒグマへの使用(ヒグマの研究家)
  • 日本にいるクマでの実験(のぼりべつクマ牧場、阿仁町熊牧場)

などでの使用で実際に忌避効果があるとされています。

陸上にいる最大の肉食動物であるホッキョクグマにも効果があるそうです。

至近距離でヒグマと接触してしまった場合には、有効な手段ということになります。

上での実験以外での使用例は少ないようですが、使用したが襲われた!無意味だった!という話はありませんので有効な対処法であると言えます。

野生動物相手なので、近接戦闘するのは最後の最後の手段です。というか勝てるんでしょうか…。

異常に接近したらスプレーで対応です。


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クマよけスプレーの基準

グリズリーのいるアメリカでのクマよけスプレーの基準です。(米国連邦政府グリズリーベア委員会)

これをクリアしているスプレーの方が安心感は増すのではないでしょうか。

ガスの最小噴射距離

25フィート(約7m50cm)必要です。

これを満たしていないスプレーもありますので確認しましょう。

効果成分の割合

最小限必要な割合は、1%です。

こちらはだいたいのスプレーがクリアしています。

刺激の強さ

表示のないスプレーもあるそうです。

刺激の強さ(カプサイシンの刺激度合い)を表示していないものはちょっと不安ですね。

ツキノワグマ専用と売られているスプレーの気になる点などをまとめました!

ヒグマとツキノワグマでスプレーの使い分けは必要なのか?

スプレーの使い方

どのスプレーもだいたい同じで、プラスチック製の安全装置を外し、引き金を押すだけで噴射することができます。

噴射したスプレーは広がらずにクマに向かって一直線に進みます。

噴射する際は自分が風上にいることが条件となります。

トウガラシ成分を噴射するので風に乗ります。

間違って風下で噴射すれば自分だけが苦しむことになります。

過去にスプレー噴射実験に立ち会った時に急に変わった風向きのせいで非常に苦しんだ経験があります。

本気で危険なものなので間違っても風下から噴射したり対人として使ったりしないように注意が必要です。

スプレーによって噴射距離は変わりますが、遭遇したクマの顔面を正確に狙う必要があります。

噴射距離を意識してある程度まで引き付けて噴射する必要があります。

自分から数メートルのところにヒグマのいる状況で冷静に狙い撃ちはできるのでしょうか…。

慌てて逆向きに噴射しないように気を付けたいですね。

有効期限がありますので使用・携帯する際には要確認です。

期限切れのものの処分方法などもしっかり確認してから行いましょう。

ちなみにですが、飛行機への持ち込み・預け入れともに認められていません。

超強力なスプレーですから危険物扱いということですね。

道外から登山に来る際は注意してください。


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