登山をしていると、どうしても避けられないのが「虫問題」。

私は正直、虫がすっっっっっごい苦手(というか嫌い)で、夏山は毎回ちょっとした覚悟が必要です。 それでも山が好きだから登るわけですが、できることなら一匹たりとも近寄ってほしくない…。

特に夏場は、蚊・ブヨ・アブ・マダニなど、私たちの体温や汗に引き寄せられる虫たちが元気いっぱいです。

これまで登山者の間では、ハッカ油やハーブ系の天然スプレーが人気でした。 理由はシンプルで、 「吹きかけた瞬間に虫がスッと離れていく」 という分かりやすい効果があるからです。

一方、市販の虫よけスプレーは「効いてる気はするけど、天然系ほど即効性がない」という印象を持つ人も多いはず。 しかも登山では汗をかくので、どちらを使ってもこまめな塗り直しが必須です。

ところが近年、状況が大きく変わりました。 デング熱の国内感染をきっかけに、虫よけスプレーの成分が強化される流れが生まれたのです。

その結果、

  • ディート30%

  • イカリジン15% という“強化版”が登場し、店頭に並ぶようになりました。

今回は、 「この強化版スプレーは登山で本当に使えるのか?」 という視点で、実体験ベースの考察をまとめます。

強化版虫よけスプレーとは?

ディート30%とイカリジン15%の特徴

「強化版」と聞くと、虫嫌いとしてはつい期待してしまいますね。

従来の虫よけスプレーには「ディート」という成分が使われていました。 これは戦後、米軍がジャングルでの経験から開発した成分で、蚊・ブヨ・アブ・ノミ・マダニなど幅広い虫に効果があります。

ただし、

  • 肌が弱い人は刺激を感じることがある

  • プラスチックを変質させることがある という弱点もあり、日本では長らく12%までの濃度しか認められていませんでした。

しかし現在は、 最大30%まで使用可能になり、各社から強化版が続々登場しています。

※使用制限

  • ディート12%:生後6ヶ月未満は使用不可

  • ディート30%:12歳未満は使用不可

新成分「イカリジン」とは?

イカリジンは1980年代にドイツで開発された成分で、 ディートと同等の効果がありながら、肌に優しいという特徴があります。

日本では2016年に初登場し、現在は5〜15%の濃度で販売されています。

メリット

  • 年齢制限なし

  • 肌への刺激が少ない

  • ディートと同等の効果

デメリット

  • 効果がある虫の種類が少ない(蚊・ブヨ・アブ・マダニの4種)

 

ディートとイカリジンの効果の違い

結論から言うと、 イカリジン5% ≒ ディート10% というデータがあります。

これは医薬品の審査機関(PMDA)が公表している試験結果で、 蚊・ブヨ・マダニに対して、 6時間後まで100%の忌避効果 が確認されたというもの。

濃度と効果が比例すると仮定すれば、 イカリジン15% ≒ ディート30% と考えてよさそうです。

 

虫よけ成分はどう作用する?

虫が人に寄ってくる理由

虫は、私たちの

  • 体温

  • 二酸化炭素

  • 汗の成分(乳酸など) を頼りに近づいてきます。

ディート・イカリジン・ハッカ油の作用の違い

虫よけの仕組みは大きく2つ。

  1. 嫌なニオイで近づけない(ハッカ油など)

  2. 虫の感覚を鈍らせて“人間だと気づかせない”(イカリジンなど)

ディートはまだ作用が完全に解明されていませんが、 「ニオイを嫌う説」と「感覚を麻痺させる説」の両方があります。

イメージとしては、

  • ハッカ油:虫が“あ、嫌だ”と避ける

  • イカリジン:虫が“人間がいる”と気づかず素通りする という感じです。

登山で使うならどれが最適?

蚊・ブヨ対策のポイント

登山中は汗で成分が流れるため、 どのスプレーでも定期的な塗り直しが必要です。

虫嫌いの私としては、塗り直す前に刺されるのでは…と毎回そわそわしてしまうのですが、 それでも携帯性の良い小ビンタイプは心の支えになります。

そのうえで、登山に向いているのは

  • 小型で携帯しやすい

  • 効果が分かりやすい もの。

現状では、 ハッカ油などの天然系スプレー(小ビンタイプ) が使いやすいと感じる人が多いでしょう。

ただし、強化版スプレーの効果はまだ未知数。 実際の登山で試してみて、 「天然系より効く」 と感じる人が増えれば、今後は主流が変わる可能性もあります。

また、古典的ですが 蚊取り線香をぶら下げる方法 も非常に効果的。 汗で流れないので、スプレーに不満がある人は併用もおすすめです。

 

マダニ対策の現実的な方法

マダニは初夏〜秋に多く、 笹やぶを歩くと一気に体に付くこともあります。

虫嫌いの私にとっては、というか虫嫌いでなくても、正直どんな虫より怖い存在です。

こればかりはスプレーより服装で防ぐのが現実的。

正直なところ、 従来のスプレー類はほとんど効きません

現実的な対策は、

  • 薄手のヤッケを着る

  • 肌を露出しない という“物理的な防御”が中心でした。

強化版スプレー(ディート30%・イカリジン15%)が マダニにどこまで効くのかは、 実際の登山で試してみる必要があります。

もし効果が高ければ、 「暑いのにヤッケを着る」という苦行から解放されるかもしれません。

まとめ|強化版スプレーは登山で使えるのか

今後の検証予定と期待

今回は、登山者の視点から 新しい虫よけスプレーの可能性 について考察しました。

とはいえ、最終的に頼りになるのは 「実際に山で使ってみた結果」です。

今シーズンは、

  • ディート30%

  • イカリジン15%

  • ハッカ油

  • 蚊取り線香

これらを状況に応じて使い分けながら、 効果を検証していくつもりです。

虫嫌いとしては、強化版スプレーが本当に効いてくれるなら心強い限りです。

今シーズンは実際に山で使ってみて、 「虫嫌いでも安心して登れるのか?」 を自分の体で確かめてみるつもりです。

結果が分かり次第、また記事にまとめます。